とにかくやることだらけ…な店長の仕事
キャバクラで働くボーイの大半は、最終的に店長を目指している。
お店で一番上のポジションだし、年収も一気にアップするからね。
早けりゃ1年でのし上がる人とか、20歳位の大学生が店長をやってたりもする。
とにかく昇進のチャンスは常に転がってるんだけど、覚えることも多いし仕事量もボーイの比じゃない。
けど、いつもどんな仕事をしてると思う?
キャバクラの店長は店先でセキュリティチェック
まず店長の仕事で重要性が高いのはセキュリティチェックだ。
と言っても自分やスタッフを確認するんじゃなくて、お客様のチェックだな。
キャバクラはお店の入口付近に必ず誰か立ってるんだけど、アレって実はセキュリティチェックなんだよ。
お店にもよるけど、マネージャーか店長が直接この役割を担う。
でも、何のためにするのか疑問が浮かぶよね。
・精神的に危険そうな人
・ヤクザなどの明らかにヤバそうな人
・高校生などの未成年
こうした人達が入店しないか確認してるんだ。
お店にも悪影響があるし、キャストへ直接危険が及ぶリスクもある。
もしこういう人達が来た場合は、入り口で入店を断るのが通例だね。
でも、実際は中々言うこと聞いてくれないし、素直には帰ってくれない。
「申し訳ございません。本日●●は出勤しておりません」と嘘を付くこともあるけど、ゴネる人もいるんだよね。
そんな時も延々断り続けるしかない。
警察を呼べば一発解決だが、絶対それは避けなきゃダメだ。
だから警察沙汰にならないよう、上手く取り繕うのも店長の重要な役目だね。
店長には穏便に済ませるスキルが求められる、とも言える。
お客様特徴を覚えるのもキャバクラの店長の仕事
お客様の特徴を頭に叩き込むのも店長の重要な仕事だ。
他のボーイはもちろん、キャスト以上にお客様を把握しておかないといけない。
頭の回転も速くないと務まらないかな。
でも、お客様の何を覚えるのか?
大まかに書くと6つある。
2:お名前
3:どのような人物か
4:お客様の危険性
5:来店頻度(お得意様か否か)
6:よく指名するキャスト
特に重要なのは、顔からこれらの情報を瞬時に判断すること。
頭の回転の速さが求められるかな。
顔とお名前はもちろんだけど、危険性も判断しないとダメだ。
フリーのお客様以外なら、来店頻度や指名キャストも覚えなきゃいけない。
店長になると、キャスト以上に顧客管理が求められるね。
お得意様が来店したら接客を行う
大抵のキャバクラにはお得意様がいる。
簡単に言えば、お店で使う金額が多い上客・太客のことだね。
こうしたお客様は来店頻度も多いから、フリーと分けて考えるべきだし、何より特別扱いが欠かせない。
お店の売上にも大きく関わるから、どんどんお得意様は作るべきだね。
で、もしお得意様が来店した時、店長はどうするか?
自ら接客を行うんだ。
指名されたキャストと一緒にテーブルへ付いて、とにかくおもてなしだ。
お得意様は、お店にとって重要度が非常に高いお客様だから、キャストだけに接客を任せるわけにはいかないね。
ただ、ずっとテーブルに付いてることはない。
ひと声かけてテーブルを離れる場合も多いよ。
仕事は色々あるし、他にもお得意様が来店することもあるからね。
それにお得意様も店長がずっとテーブルにいたら、キャストと楽しく会話できないからね。
そのタイミングを見極めるのも店長に必要なスキルだな。
キャバクラで働く女の子の入れ替え
キャバクラによってはキャストの入れ替わりが激しい。
その理由は売上が取れないからだね。
実はキャストの入れ替えのするのも店長の仕事だ。
入店を希望する女の子の面接も担当するし、逆にキャストをクビにするのも店長次第。
自ら辞めてくれるのが一番だけど、辞めない時は圧力を掛けたり、罵詈雑言を浴びせかけることもあるね。
とにかくキャストが辞めるよう仕向ける訳だからさ、同情心がある優しい人には多分店長が務まらないんじゃないかな。
俺もそれこそ幾度となくキャストのクビを切ってきたけど、あくまで仕事と割り切ってるからね。
だから同情はしない。
下手すりゃお店が傾くから、キャスト入れ替えの時は心を鬼にしないとね。
飛んだ従業員の対応
ナイトワーク(水商売)の界隈では、”飛ぶ”という表現をすることがある。
これは突然お店を辞める(=バックレる)ことなんだけど、例えばキャストの無断欠勤が発生した時に「●●が飛んだ」って表現するよ。
キャバクラじゃ珍しくないことだけどさ、店長にとっちゃ頭の痛い問題だよ。
なにせ飛んだスタッフの穴を埋めなきゃいけないからね。
もし誰かが飛んだ時は、まずシフトを組み直さなきゃいけない。
キャストもボーイも、飛んだらそこを埋める必要がある。
場合によっては飛んだ奴と仲が良かったスタッフに頼んでさ、直接連絡してもらうこともあるよ。
なぜ来ないのか聞く必要があるからね。
更に大変なのがお得意様の対応。
もし跳んだのがキャストだったら、いつも指名してたお客様に何か理由つけて謝罪しないといけない。
下手すりゃ二度とお店に来てくれなくなるから、繋ぎ止めが大変だ。
ちなみに、誰かが飛ぶとそれに釣られて他のスタッフも飛ぶ可能性が高い。
「あいつが飛んだなら俺(私)も」って考える奴は案外多いからね。
だからスタッフを繋ぎ止めるのも店長の役割といえるな。
キャバクラでのイベントを考える
キャバクラは競合が多いから、他店との差別化が必須だ。
何で他店と差を付けるかだけど、ポピュラーなのがイベントだね。
店長は何かイベントを考えて、お客様を呼び込まないとダメだ。
ただ、イベントなら何でも良い訳じゃない。
お客様がお金を落としてくれなきゃ実施するだけ無駄だよ。
まず経費と売上見込を立ててイベントの内容を決め、次に時期も考える必要がある。
タイミングを間違えると赤字だ。
問題はイベントの内容だけど、例えばこんなものがある。
・ボトルの割引
・クリスマスやバレンタインなど季節限定イベント
他にもアイデア次第で色々出てくるね。
しかし、最終的には売上に貢献して、かつお客様が楽しめる内容にすることが肝心だ。
イベントの時はキャバクラで流す店内BGMの選曲も売り上げに関係してくるから、そーゆー仕事も俺がしてるよ。
ボーイの頃から真剣に下積みを
店長がこなす役割や業務は多岐にわたる。
これは一朝一夕に身に付けられるものじゃない。
店長を目指す人は多いけど、途中で挫折するボーイが圧倒的だよ。
本気で目指すならボーイの頃から下積みして、真剣に仕事へ取り組むことが大事だね。